2014/10/17

Ebony and Ivory

誰も持っているはずあちら側とこちら側。
いつもの自分と少し落ち込んだ自分。いや、やけに元気な自分。
怒った顔と笑った顔。
家での素の自分とよそ行きの顔。
全てのものは裏表。

黒の髑髏と象牙色の薔薇を並べたらなんて素敵なんでしょう。
自分でもうっとりしてしまいました。

髑髏自体があまり見かけなくこちらでもとても人気のアンティークですが
そして今回は黒。エボニーかバッファローホーンか・・・
1920年頃のものです。
高さ、奥行きともに40mm 幅30mm
これを見つけた時は先日黒髑髏の持ち手のステッキを見つけたのですが
状態があまり良くなかったので見送ったことを思い出しました。
欲しかったのです、とてもそのステッキ。

もうひとつ、素敵なカーヴィングのローズのブローチ。
これも1920年代のアイボリーです。
大切に使い込まれたツヤ感が美しいです。
手頃な可愛らしい大きさが可憐です。高さ、幅共に30mm 奥行18mm



髑髏 45.000yen
薔薇 35.000yen

2014/10/08

奪ってしまいました


とあるフェアに行った時のこと。
素敵なおばあさまのディーラーがアクセサリーやバッグを専門に売っていました。
言っておきますと
英国人おばあさまディーラーは気をつけないといけない存在です。
一番気をつけなくてはなりません!
これはいままでの経験から学んだ一番のことです。

そのおばあさまがこの素敵なネックレスをしていたのです。
だから心からとっても素敵であなたにとっても似合っているわ、
と自然におしゃべりしたんです。
彼女は意外だったらしくそぉかしらん?なんてのんきな返事でした。
そんなに言うなら今日は売らないわ、なんて感じで。
細かなものを見ておしゃべりをしてお支払いをして
また私はホントに素敵ね、
アクセサリーとご本人がぴったりなのって素晴らしいわ、
とまた言ったんです。
そう、大抵アクセサリーや宝石のディーラーさんて
すごく華やかでおすましさんが多いんです。
彼女は端正な美しい女性でした。
それがこの象牙のペンダントにもそっくり言えること。
だいたい象牙の彫刻のペンダントってこれでもかってくらいゴージャスで、
なんだか近寄りがたい。
このペンダントはなんて楚々として美しいのでしょう。
アールデコのデザインがしなやかに風に吹かれているみたい。
バラかしら、カメリアかしら、マグノリアかしら?
胸に付けてみるとますますこの美しさが際立つんです。

そうしたら彼女はこれは別に私物ではないのよ、
販促のためにさっきちょっとしてみただけなのよ、
よかったら持っていく、って。

そんなことがあって私の元へやってきたペンダントです。




帰りに私にこれ一緒に食べる?って頂いたものがありました。
なんでしょう?!びっくりしいました。
韓国海苔でした。

花びらにカービングがほどこされています。
花の直径 4.3cm
価格 ¥58.000-



共のアイボリーのチェーンは長さが50cm











ジョイントもアイボリー

tea and sympathy

イギリスの優しい季節は雨とともに終わり
北風とともに寒い季節がやってきました。

寒い朝、雨の午後、静かな夜・・・
いつもイギリス人の傍で控えているのがお茶の時間です。
楽しい時、哀しい時、慌てている時、我を忘れそうになっている時、
仕事が長引きそうな時、逆に話がまとまった時、
お茶にしようか、となるのです。
相手にお茶を入れてあげる、
その行為にも大切な意味があります。

イギリスでは昔から様々な人がお茶に付いて真剣に語ってきました。
共通して言えることをいくつかあげておきましょ。

100℃のお湯でなければいけない。
必ず陶器のポットを使い(中は洗ってはいけない)、温めておき
ポットをやかんに持っていかなければならない(逆はダメです)。
ポットの中で茶葉を自由にしてあげなければならない。
ミルクは温めてはいけないけれど
ミルクが先かお茶が先かは議論が分かれるところ。
注ぐ前には一混ぜして

最近は好きな時にマグカップにティーバッグを入れてごくごく飲むのが普通ですし、
近所のカフェのカプチーノばかりというご時世ですが
ん〜 私は朝一番のお茶が好きかな。
強めのお茶がストンと空っぽの胃袋に無事着陸すると
あ〜今日も始まるなと小鳥の声を聞きながら思うのです。


さてさて
下の写真は私のコレクションのごくごく一部。
ヴィクトリアン時代だけに作られていたストーンウエアを集めています。
目標はV&A。ほほほ♪

ストーンウエアはこの型取りした凹凸の焼物が特徴です。
乳白色の他、黒・グレーや手彩色のものもあります。
この石器とピューターの組み合せというのも特徴のひとつです。
初期ウェッジウッドもこのストーンウエアの仲間でしょう。
底部分に限られたギルドだけに与えられた秘密のマークがあります。
ないものにも素晴らしいものがあります。

今回お茶の話ということでティーポットを数種写真に撮ってみましたが
他に蓋付きピッチャーやジャグがあります。
文様は幾何学模様だったり神話だったり自然の植物だったりします。
そしてどれも取っ手にとてもこだわりがあります。
まさにヴィクトリアンの醍醐味です。
奥の丸いのは1L以上入ります。
柔らかいピューター故蓋部分が案の定壊れていますし
持ち手も一度取れたらしくくさびで丁寧に修理が施されています。
歴史を感じずにはいられない逸品です。
ブルーベルとシダがデザインされたお茶の時間にふさわしいエレガントなポットで
数人の集まりのときは重宝しています。



右は2、3人用の自然をモチーフにした幾何学模様。
ほとんど使われていなかったと思うくらい完璧な状態です。
遜色のないエレガントなフォルムにうっとりします。

左、だいぶカジュアルな茶釜のような形のポット。これも2、3人用。
独りのときもお茶の時間を楽しませてくれます。
モチーフはエーコンとオリーブ。
蓋も同じ石器で出来ています。
この時代のストーンウエアに共通する鮫肌の地がありませんから
ヴィクトリアン後期のポットかもしれません。

それでは今日も素敵なお茶の時間を。