イギリスの優しい季節は雨とともに終わり
北風とともに寒い季節がやってきました。
寒い朝、雨の午後、静かな夜・・・
いつもイギリス人の傍で控えているのがお茶の時間です。
楽しい時、哀しい時、慌てている時、我を忘れそうになっている時、
仕事が長引きそうな時、逆に話がまとまった時、
お茶にしようか、となるのです。
相手にお茶を入れてあげる、
その行為にも大切な意味があります。
イギリスでは昔から様々な人がお茶に付いて真剣に語ってきました。
共通して言えることをいくつかあげておきましょ。
100℃のお湯でなければいけない。
必ず陶器のポットを使い(中は洗ってはいけない)、温めておき
ポットをやかんに持っていかなければならない(逆はダメです)。
ポットの中で茶葉を自由にしてあげなければならない。
ミルクは温めてはいけないけれど
ミルクが先かお茶が先かは議論が分かれるところ。
注ぐ前には一混ぜして。
最近は好きな時にマグカップにティーバッグを入れてごくごく飲むのが普通ですし、
近所のカフェのカプチーノばかりというご時世ですが
ん〜 私は朝一番のお茶が好きかな。
強めのお茶がストンと空っぽの胃袋に無事着陸すると
あ〜今日も始まるなと小鳥の声を聞きながら思うのです。
さてさて
下の写真は私のコレクションのごくごく一部。
ヴィクトリアン時代だけに作られていたストーンウエアを集めています。
目標はV&A。ほほほ♪
ストーンウエアはこの型取りした凹凸の焼物が特徴です。
乳白色の他、黒・グレーや手彩色のものもあります。
この石器とピューターの組み合せというのも特徴のひとつです。
初期ウェッジウッドもこのストーンウエアの仲間でしょう。
底部分に限られたギルドだけに与えられた秘密のマークがあります。
ないものにも素晴らしいものがあります。
今回お茶の話ということでティーポットを数種写真に撮ってみましたが
他に蓋付きピッチャーやジャグがあります。
文様は幾何学模様だったり神話だったり自然の植物だったりします。
そしてどれも取っ手にとてもこだわりがあります。
まさにヴィクトリアンの醍醐味です。
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奥の丸いのは1L以上入ります。
柔らかいピューター故蓋部分が案の定壊れていますし
持ち手も一度取れたらしくくさびで丁寧に修理が施されています。
歴史を感じずにはいられない逸品です。
ブルーベルとシダがデザインされたお茶の時間にふさわしいエレガントなポットで
数人の集まりのときは重宝しています。
右は2、3人用の自然をモチーフにした幾何学模様。
ほとんど使われていなかったと思うくらい完璧な状態です。
遜色のないエレガントなフォルムにうっとりします。
左、だいぶカジュアルな茶釜のような形のポット。これも2、3人用。
独りのときもお茶の時間を楽しませてくれます。
モチーフはエーコンとオリーブ。
蓋も同じ石器で出来ています。
この時代のストーンウエアに共通する鮫肌の地がありませんから
ヴィクトリアン後期のポットかもしれません。
それでは今日も素敵なお茶の時間を。