2017/03/14

寄り道

シャルトルに寄り道。
数年前モンパルナスまで出掛けた時は電車運休、だいぶ前にも行こうと思ったけどなぜか行けずじまいで三度目の正直。

芸術新潮のシャルトル特集はお気に入りの本で冬の雨が尚更荘厳な街を写していたけど、この日は春の始まり、川の柳も芽を吹いてグレイの空も何か少し弾んでいる様子。
月曜日の早春ということもありツーリストもごく僅か、嬉しいことに中●人は極々僅か、ちらほら見かけた日本人はカテドラルを見て足早に次の目的地へ去って行った。


カテドラルは目下リフレッシュの最中で内部の壁の部分が洗われて真っ白に、マリアも昔の色を取り戻していた。




旧市街のウール川沿いを歩いて聖ピエール教会へ。外梁が崩れ落ちた庭は町の男達が春の花を賑やかに植えていて、飾り気のないドアを開けてカビ臭い湿った冷たい空気の誰もいない教会の中へ。タイルの床はめくれ屋根から壁に雨が伝い椅子は所々ひっくり返り、教会の説明書を30¢で勝手に買うと紙も湿っていた。それでも聖ピエールは鎮座し残り少なくなったステンドグラスは光を集めてマリアは微笑み神は我々を見守る。美しい。


もう1つのカテドラルの裏の教会は修復が済み各国の様々な芸術家達のエキジビジョン中(オーストラリアのキルト作家とベルギーの陶芸家で日本の焼き物好きの方とお話が楽しかった)だからきっと聖ピエール教会も近いうちに救われることを期待。壁洗いは出来ないけど水運びとかタイル洗いの手伝いとか何かしたいと思うほど気に入ったことを言うときっとシンプルで質素な空気の中にZENに通じるところを見つけたんじゃない?と言われ妙に納得。
賑わい且つ落ち着いた街を想像してたけど古町を歩いてみて見つけるのは昔の繁栄のかけら。ウールー川沿いには橋がたくさんかかり昔を豊かさを忍ばせる。流通や手工業の跡形が朽ちる手前で残り空いた店舗と老人の姿が残る。余りにも観光寄りに作り変えられた街もいただけないけどありのままを見るのもなんだか哀しい。それでもウールー川の豊かな流れと美しい街並みに手入れされた窓や玄関先、威厳のカテドラルの中に学校がたくさんあって子供達が近隣から通って来る姿は眩しかった。









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